2023年9月3日に行われました、段位別大会の開催結果を掲載します。

開催結果

弐段以下の部

順位的中数氏名所属称号段位
14宮川 晃弥神栖*弐段
24三浦 彩加茨城大学*初段
33森重 万佐巳龍ヶ崎*弐段
43髙野 陽人土浦*弐段
53有田 更紗龍ヶ崎*弐段

参段の部

順位的中数氏名所属称号段位
15荒木 道備勝田*参段
25長山 琴音土浦*参段
35赤荻 治久下館*参段
44髙橋 秋子下館*参段
54中野 浩史龍ヶ崎*参段

四段の部

順位的中数氏名所属称号段位
15園部 晃生土浦亀城*四段
25内田 茜土浦亀城*四段
35栗島 則夫土浦*四段
45堀口 芳明取手*四段
55狸塚 義弘土浦*四段

五段の部

順位的中数氏名所属称号段位
15斎藤 詩乃土浦*五段
25笹沼 健一日製(日立)*五段
35岩下 智明下館*五段
44大森 絵鈴藤代*五段
54新山 晃一日製(日立)*五段

称号受有者の部

順位的中数氏名所属称号段位
14久保田 亮日製(日立)錬士五段
24萩野谷 綾子水戸射友会教士六段
33菊地 俊和藤代錬士六段
43門井 寿通水戸桜川錬士六段
53梶 直子神栖錬士六段

講評

会長 中嶋鉄郎先生(教士七段)(五段以下の部)

 表彰された皆さん、本当におめでとうございます。

 今回は、残念ながら6射皆中はいませんでしたけれども、皆中賞・奨励賞をたくさんの方が受けられて、大変良かったと思います。さらに精進していただきたいと思います。

 国体壮行会における成年女子演武の6射皆中は見事でした。鹿児島国体のご活躍を心よりお祈りしています。

 さて、一般的なことを申しますと、弓道は一人でも稽古できます。しかし、そこには落とし穴があるわけです。どうしても自己流になってしまう。おそらく、皆さん、求めているのは中りだと思いますが、その中りも、ただ中ればいいわけではないですよね。特に二段以下、参段ぐらいの方々は、将来に向けてさらに上の段を目指して努力されていると思いますが、大切なことは「いかに正しく中てるか」ということだと思います。そこに弓道の醍醐味がある、と私は考えております。

正しく中てるためには、稽古仲間と教え合わなくてはいけない。しかし、それだけでは不十分で、さらに先生に教えを請わなくてはならない。自分で課題を明確にして、先生に教えていただく。そこで与えられたヒントを基に稽古に励むわけですが、早々にうまくできるようになるわけではありません。ところが、あるとき、突然わかる、腑に落ちるときがありますよね。そこまで辛抱強く稽古に励んでいって欲しいなと思います。

県連としての今年度の取り組みの一つとして、講習会の充実に力を入れております。講師の先生を増やしてきめ細かな指導を心がけておりますので、皆さんには是非講習会に出ていただいて、先生方の教えからヒントを得、それを積み上げて上達していって欲しいと思います。

皆さんの活躍を祈っておりますので、精進して下さい。

名誉会長 柴田猛先生(範士九段)(称号受有者の部)

 優勝された久保田君、入賞された萩野谷さん、菊地君、門井君、梶さん、おめでとうございました。4本目抜いた方が3人。2本目抜いて3中の人と、4本目抜いて3中の人と、どっちが悔しいかな?やはり4本目抜いた人の方が悔しい?1本目、2本目、3本目抜いた人は「しゃあないな」と悔しさも少ない?ともあれ、優勝するというのは大変なことだと思います。

 ちょっと感じたことをお話しします。入場で足踏みをするときに正面を見なかったり、適当な人が結構いました。指導にあたる称号者がそれでは困るんで、教本その他読み直して欲しい。射位に入っての足踏みも的を見ないでする人がいました。また、矢は肩の辺りで番えるわけで、肩より下の方で番えるんじゃないんですよね。

 弓道の最高目標は「真・善・美」。真・善・美というのは精神的なものだと思っています。射技の最高峰とは「中・貫・久」。中・貫・久というのは日置流の話で、本田流では「飛・中・貫」。日置流は中って、貫徹力が良くて、長続きする。本田流の方は飛びが良くて、中って、鋭いが、長続きしない。そういう意味では日置流の言い伝えの方がいいのかもしれない。中てるって、結局、36センチの的にただ中っても何にもならないんだよね。弓手は昔から鉄砲肩って言っているんだから、鉄砲の銃身、妻手は引き金だよね。それがみんな銃身がぶれているわけですよ。離れる瞬間にみんなぶれてる。教本の3巻……弓手がちょっとでも動いたら剣に刺さる図があります、鉄砲の銃身が動いたら中んないでしょ。

 いかに動かさないで矢を送り出すか。そのためには手の内だよね。手の内は日置流では、引分けで弓手中指の上にノミを載せて、親指でノミを磨り潰す弓手はプリプリ絞っていき角見、捻りが効く、妻手はチリチリチリと弽ほどき、チリチリポンと矢を送り出す。(ポンは角見)弓手を振り回すんではなく送り出すんです。親指で矢を送り出す。私はそう思っているんです。

 話は違うが国体選手だったら、星に4本全部ぞっくり入る、そういう射をしなかったら、完璧にならないね。中・貫・久にならない。ですから、そういう射技的なことをもっと練習したらいいのかな、そう思いました。それと台詞を決めて、その台詞通りに離れを出す。

 願わくは、もっともっと稽古して、称号者は、後半戦の方の話をすると、もう上のことを考えてないような気がする。七段の人は八段、教六の人は七段、錬士の人は教士目指して欲しい。完璧な射、誰が見てもかっこいい射、審査で先生方は何を見ていますか?離れ、残心(身)しか見てないでしょう。もちろん引き分けがいいかげんでは論外だけど。県内の審査、四段の審査、極論すれば入場なんかどうでもいい……会に入ってどろんと離すのではなく、びしっと離れ、残心(身)が決まる射。私はあちこちの講習会でよく言うんです、弓持たないでエアー弓道やりなさい。うまくできたら、次は巻藁の前。そして的前。的前でできなかったら、巻き藁に戻ればいい。いい癖付けなくちゃ。精進して、絶対に負けない射を作って下さい。

 最後になりますが、本日の当番である土浦地区と石岡地区の皆様に御礼申し上げまして、講評に代えます。

【追記】
 的前の後片付けをしてた人たちが仕事を辞めて講評を聞いていた威勢が素晴らしくてその姿に感動したと講評を見ていた人が言っていました。
皆さんが一致協力して大会を運営していることに心から感謝申し上げます。