2023年6月18日に行われました、県民総体兼国体選手選考会の開催結果を掲載します。
開催結果
成年男子三段以下の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 8 | 髙野 陽人 | 土浦 | * | 弐段 |
2 | 7 | 岡野 斗馬 | 茨城大学 | * | 初段 |
3 | 7 | 谷畑 智哉 | 土浦 | * | 弐段 |
4 | 6 | 村野 篤伸 | 茨城大学 | * | 弐段 |
5 | 5 | 髙野 真太朗 | 稲敷市 | * | 弐段 |
成年女子三段以下の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 7 | 田中 幸羽音 | 茨城大学 | * | 初段 |
2 | 7 | 髙橋 秋子 | 下館 | * | 参段 |
3 | 5 | 横山 あさみ | 東海 | * | 参段 |
4 | 5 | 沼尻 彩華 | 北総 | * | 1級 |
5 | 4 | 三浦 彩加 | 茨城大学 | * | 初段 |
成年男子四段以上の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 8 | 狸塚 義弘 | 土浦 | * | 四段 |
2 | 7 | 畠山 智光 | 水戸 | * | 四段 |
3 | 6 | 菊地 凜 | 土浦 | * | 四段 |
4 | 5 | 熊谷 博明 | 湊 | * | 四段 |
5 | 5 | 黒沢 信和 | 東海 | * | 五段 |
成年女子四段以上の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 5 | 沖田 紀子 | 牛久 | * | 五段 |
2 | 5 | 菅原 智子 | 日立市中央 | * | 四段 |
3 | 5 | 加藤 真佐美 | 水戸射友会 | * | 四段 |
4 | 5 | 遠藤 静子 | 日立市 | * | 四段 |
5 | 4 | 大森 絵鈴 | 藤代 | * | 五段 |
称号受有者男子の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 6 | 荻原 裕一 | 美野里 | 教士 | 七段 |
2 | 6 | 高松 清 | 笠間 | 錬士 | 六段 |
3 | 6 | 塚田 哲也 | 北総 | 教士 | 七段 |
称号受有者女子の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 6 | 梶 直子 | 神栖 | 錬士 | 六段 |
2 | 5 | 堀 史 | 土浦 | 教士 | 六段 |
3 | 5 | 宮下 文子 | 勝田 | 錬士 | 五段 |
講評
相談役 橋本眞也先生(範士八段)(有段者の部)
皆中賞、奨励賞、入賞、優勝者の皆さん、おめでとうございます。今やっと、笑顔を取り戻したようですが、予選の時には、随分怖い顔をして引いていました。もう少し、楽しそうに引いていただきたいと思って見ていました。「満面の笑顔」で引けとは言いませんが、弓を引ける喜びを感じさせる表情で臨んでいただきたいものです。
「楽しさ」ともう一つ、「爽やか」に引いていただきたかったと思います。審判席にいる私たちをも爽やかな気分にして欲しいものです。そこで、1,2ヒントを述べたいと思います。
一つは「着付け」です。道着をどう着るかですが、付いている紐は、帯を締めた後に結ぶことが大切です。市販の道着ですと、大中小の区分けしかありませんから、基本的には、自分の寸法にぴったり合うことはありません。大体緩いことが多いわけです。紐から先に結びますと、その上から帯を締めたあとに、胴回りに襞が幾重にもできてしまいます。こうした着付けの人が大分いました。まず、紐に関係なく、道着を腰骨にきちんと巻き付けます。痩せ形の人は、腰骨より若干上の少し細くなろうかという辺りに巻くと上手くいきます。そのあと、道着の上から帯を巻いて締め、最後に、胴衣に付いている紐を結びます。この紐は飾りですから、本来は要らないものです。甚兵衛か作務衣のように帯を締めないときに使うものが、たまたまデザインされているだけです。私は、市販の道着を使うときには、紐は必ず、切り取っていますし、仕立てるときには、紐を付けないように注文します。
もう一つの「爽やかさ」は、「離れ」におけるものです。「会」で弓は最大限に引き絞られ、弓は弾性エネルギーを位置エネルギーとして蓄えます。同時に、射手も筋収縮によって腱が伸び、そこに位置エネルギーが蓄積されます。発の瞬間に、弓は復原して、弓の位置エネルギーは矢の運動エネルギーに変換され、矢は推し出されます。一方、射手の腱に蓄えられた位置エネルギーは、手先、腕の運動を通して、発の瞬間、矢勢と的中に寄与します。その際同時に生じた上肢の運動エネルギーおよび筋腱複合体(筋肉と腱)に残存した位置エネルギーは、「残心」までの上肢の運動に使われます。この離れの過程で、上肢が筋収縮状態から弛緩状態になれば、それを「爽やかな離れ」と呼ぶことができます。残心で、腕、身体にコリがあれば、それは、身体が用意した筋力のすべてが矢勢に寄与しないことを象徴し、力の出し惜しみに見えて、爽やかさを感じさせません。
「楽しさ」と「爽やかさ」はこれからの弓道には大切な要素ですから、稽古のヒントとしていただければ幸いです。
名誉会長 柴田猛先生(範士九段)(称号者の部)
入賞された6名の方、おめでとうございます。
ところで、優勝者の的中は6中?……有段者男子の部は三段以下・四段以上とも優勝者は8射皆中。やはり優勝した人には7中以上してほしかった。
優勝した人に……(大会に勝つというのは大変なことですので)どういう気持ちで引いたのか、聞いてみたいと思います。久しぶりに優勝しました荻原先生、梶さん……そうですか、お二人とも要は会に入って親指を押しきったということですね……。
総合的にみて、中らない人は、角見で押し切れていないんですよね。
みんな、左手出してみて。伸びようとしたとき、伸びられる?昔から、豆粒一つ緩めると言われています。どこで緩めるか。それが離れる瞬間に影響するわけ。教本の八節の図解、あれを見ながら、同じようにやってみてください。会に入ったら、心・身・弓……最後は気合です。離れの瞬間に声を出して離してみてくださいよ。離れてから「ヤー」では、気合じゃない。練習で声を出しながら気合で合わせて離れないと、的中には結びつかない。
国体選手の入賞者、昨日の練習に来ている人はまずまずですが、来てない人はあまりいい成績ではない。これではブロック予選通過も大変だと見てました。練習量を多くして、頑張ってほしいと思います。
中りは、やはり手の内です。離れる瞬間にどう押し切るか。それと、八節図解を玩味して文言通りに引いているかどうか。ねらい……ねらいというのは、第一のねらい(打起し)・第二のねらい(第三)・第三のねらい(三分の二)と書いてあるよね。ところが、ほとんどの人が最初から第四(会)のねらいなんですよね。第四のねらいというのは的に付いちゃっているんですよ。会で100%になってしまっている。100%から101%の離れは出ないでしょう。いかにして99%で入り、100%で離れるか、それが会です。精一杯頑張るのも結構です。でも、離す余裕がなければ……。
午前の有段者の部の講評で、橋本先生が「みんなずいぶん怖い顔をして引いていました。もっと楽しそうに引いていただきたいと思って見ていました」とおっしゃっていましたが、私ももうちょっと楽に頑張ってもらえたらと思いました。 最後になりますが、競技部の方々、県西・県南地区の担当の方々にお礼を申し上げて、講評に代えます。