2024年1月7日に行われました、新年射会の開催結果を掲載します。
開催結果
四・五段女子の部
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 5 | 小又 美恵子 | 友部 | * | 五段 |
2 | 5 | 横山 あさみ | 東海 | * | 四段 |
3 | 5 | 石井 恵理子 | 友部 | * | 四段 |
4 | 5 | 沖田 紀子 | 牛久 | * | 五段 |
5 | 4 | 髙橋 秋子 | 下館 | * | 四段 |
四・五段の部男子
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 6 | 笹沼 健一 | 日製(日立) | * | 五段 |
2 | 6 | 関口 信夫 | 取手 | * | 五段 |
3 | 5 | 熊田 大輔 | 霞ヶ浦 | * | 五段 |
4 | 5 | 川又 悠河 | 常陸太田 | * | 四段 |
5 | 5 | 平根 伸彦 | 原子力機構 | * | 五段 |
称号受有者の部女子
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 5 | 鈴木 裕美 | 湊 | 錬士 | 六段 |
2 | 5 | 市毛 道子 | 水戸 | 教士 | 七段 |
3 | 4 | 柴山 純子 | 湊 | 錬士 | 五段 |
4 | 4 | 古山 道子 | 藤代 | 錬士 | 五段 |
5 | 4 | 高羽 京子 | 水戸射友会 | 教士 | 六段 |
称号受有者の部男子
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 6 | 久保田 亮 | 日製(日立) | 錬士 | 五段 |
2 | 6 | 福嶋 勝之 | 牛久 | 錬士 | 五段 |
3 | 6 | 尾吹 将大 | 茨城 | 錬士 | 六段 |
4 | 5 | 大﨑 真一 | 潮来 | 教士 | 六段 |
5 | 5 | 門井 寿通 | 水戸桜川 | 錬士 | 六段 |
三段以下の部女子
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 5 | 鈴木 明美 | 水戸射友会 | * | 参段 |
2 | 4 | 永井 美桜 | 筑波大学 | * | 弐段 |
3 | 4 | 橋本 明翠香 | 北総 | * | 参段 |
4 | 4 | 菊池 弓子 | 水戸桜川 | * | 弐段 |
5 | 4 | 鈴木 茜 | 水戸 | * | 参段 |
三段以下の部男子
順位 | 的中数 | 氏名 | 所属 | 称号 | 段位 |
1 | 5 | 大杉 暉之 | 筑波大学 | * | 弐段 |
2 | 5 | 荒木 道備 | 勝田 | * | 参段 |
3 | 4 | 重藤 瞬 | 日製(日立) | * | 弐段 |
4 | 4 | 川上 輝人 | 日製(日立) | * | 弐段 |
5 | 4 | 軍司 重之 | 湊 | * | 弐段 |
講評
相談役 橋本眞也先生(範士八段)(四、五段の部講評)
優勝、入賞の選手の皆さん、おめでとうございます。本日の皆さんの行射は、良くできていたように感じました。
講評ということで、稽古の指針となることを願い、一つだけお話をさせていただきます。このことは、中央の審査員として、常に感じていることでもあります。
「弓止り」という言葉があります。これは、一般的に定義された言葉かどうかは明らかではありませんが、残身(心)における弓、手の内、さらに弓手全体の落ち着き方を意味します。弓がどんな傾きで止まるか、手の内はどのように弓を捉えているか、腕はどのように伸びているかは、離れから残身にかけての醍醐味です。
皆さんは、残身の手の内をどのように稽古しているでしょうか。おそらく無頓着だったのではないでしょうか。弓構えでは、指の位置を決めたり,天紋筋を気にしたりして、じっくり感触を味わっているに違いありません。会における手の内もその感触をおろそかにする人はいないと思います。ところが残身の手の内を心に留めて稽古をしている人はどれだけいるでしょうか。
私は、残心における手の内の感触は、弓構えの時点で味わっておくようにしています。どうやるかと言いますと、馬手の取懸けのあと、弓手の人差し指の付け根と小指の付け根を外竹の向こう端に密着させ、その反対側にあたる内竹の手前の角を拇指の付け根、いわゆる角見で押して弓を握ります。ここで言う指の付け根は掌側から見た場合の見掛けの付け根であり、指の基節骨のちょうど真ん中の位置にあたります。結局、拇指、人差し指、小指の基節骨の中点を弓に密着させた感覚が重要で、この感覚は、残心において弓を握ったときの感覚と全く同じなのです。因に、手の甲から見た指の付け根はMP関節で、この掌側は天紋筋です。
弓構えで、きちんと指と弓の接触感を味わっておくことで、離れの瞬間に角見、上押しを利かすことができ、弓返り後の残心では目的位置に弓を止めることができます。その感触のまま、弓倒し、執弓に到ります。
稽古の参考にしていただけたら幸いです。
名誉会長 柴田猛先生(範士九段)(称号受有者の部講評)
お疲れさまでした。
入賞された男子5名、女子5名の皆さん、おめでとうございます。
さて、大崎君は止め抜き、門井君も止め抜き、女子は市毛先生がやはり止め抜き、あれが入っていれば……。最後の止めは最初の一本よりかなり厳しいということで、それを意識したさらなる厳しい稽古を期待したい。
6射皆中が男子3人、四・五段の部で男子2人は、正月の寒い時期にあってはよかったと思います。中てるということは角見だと思うんですね。昔から、鉄砲肩と言われ、弓手が動かないというのが肝心なんです。橋本範士から午前中の四・五段の部の講評で、「弓止り、残心(身)が悪い」とのお話しがありました。会に入ったら両手両肘は絶対に動かない、そういう残心であってほしい。離れるタイミングをどこでするか、離れをどこで誘うのか。角見なのか妻手なのか、胸の中筋なのか腹なのか。離れる瞬間の誘いは常にコンスタントに行けばいいわけですから……いかにタイミング良く離れるかというのは普段の練習の成果だと思いますので、さらに精進してもらいたい。
最後になりますが、射法・射義の基本をもう一度確認して欲しい。特に、基本体型(五重十文字)から始まるわけですから、その五重十文字がしっかりしていないと射の総決算ができないと思います。それと目づかい、呼吸、心気の働きを一本一本考えながら稽古してほしいと思います。教本を第一巻だけでなく、二巻、三巻、四巻とありますからよく読んで、自分の射がそれに合致するところがあるか、あるいは足りないところがあるのかどうか、そういったところを考えながら読み直していただいて、さらに上を目指してもらえればと思います。
最後に、大会運営に携わった水戸地区、石岡地区、競技部の皆さんに御礼申し上げまして、講評に代えます。
会長 中嶋鉄郎先生(教士七段)(参段以下の部)
入賞おめでとうございます。
午前中四・五段の部、午後称号者の部がありました。男子はどちらも優勝は6射皆中でした。参段以下の部の優勝は5中ということで、そういう意味ではちょっと残念でしたが、ここにいらっしゃる方々は大変素晴らしい射でした。
弓を始めて、おそらく今が一番弓を引くのが楽しい時期ではないかと思います。
各支部で練習されてると思いますが、褒められたら、とにかく褒められたそのいいところを伸ばす。また、褒めて下さる先生に指導を受けてさらに伸ばしてもらえればいいかなと思います。どんどん上達、昇段して、中りをつかんで欲しい。浦上栄先生は「中りは一つの癖である」と著書の中でおっしゃっています。中らなければ面白くないですよね。ですから、中りを早くつかんで、確実に中る射を目指して欲しいと思います。
それでは、ただ中ればいいのか?そうではないですよね。
皆さんと比べると、四・五段、称号者の人たちはやはり基本的な動作がきちんとしていました。皆さんは、入場して本座でなかなか横一線にきちんと揃わない。大前は後ろの人たちを先導する役割がありますから後ろを気遣い、後ろは大前に合わせる気持ちが必要です。また、退場ですが、3人の一組ですから、後ろに控える3人のチームの間を抜けて帰るようなことはしない。1番2番は必ず前から、落は必ず後ろに一歩下がって退場すること……そういうことを早く覚えて欲しいと思います。そうした体配に磨きをかけるために、各支部での練習においては最初の一手を審査ないし競技の要領で行射することを習慣化して、正しい動作がきちんとできるようにして欲しいと思います。
皆さんのますますの成長を楽しみにしています。頑張って下さい。